1983年ロンドン・ウエストエンドでの初演以来、世界中で愛され、日本でも1991年以来繰り返し上演されてきたミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』。

今回は演出を吉田鋼太郎が担当し、柿澤勇人、ウエンツ瑛士、木南晴夏らでこの不朽の名作に挑む。上演に先駆け、本日3月9日(水)に都内にて稽古場お披露目会を実施、演出を手掛ける吉田鋼太郎と出演キャストらが作品について語った。

 

<出席者>

演出:吉田鋼太郎

ミッキー:柿澤勇人

エドワード:ウエンツ瑛士

リンダ:木南晴夏

ミスター・ライオンズ:鈴木壮麻

サミー:内田朝陽

ナレーター:伊礼彼方

ミセス・ライオンズ:一路真輝

ミセス・ジョンストン:堀内敬子

家塚敦子、岡田 誠、河合篤子、俵 和也、安福 毅

 


 

<披露シーンの楽曲解説>

M6:My Child 我が子

ー堀内敬子、一路真輝

ミセス・ジョンストンは、上流階級のライオンズ家の家政婦をしている。彼女は双子を妊娠していること、そして、子供たちが福祉課によって引き取られるかもしれないことを語る。子供に恵まれないミセス・ライオンズは、子供を引き取りたいと言い、その子をどのように育てるかを説明する。ミセス・ジョンストンも良いアイデアだと思うようになっていく。

 

M9:Easy Terms かりそめの暮らし

ー堀内敬子、一路真輝、家塚敦子、岡田誠、河合篤子、俵 和也、安福 毅

ミセス・ジョンストンは、ミッキーとエドワードという二人の男の子を出産する。病院から帰宅した彼女は、借金の肩代わりに家財道具を持ち去る債権者たちと遭遇する。すべてが自分から奪われていくように、息子も手放さなくてはならない苦悩を歌う。

 

M11:Shoes Upon The Table 1 テーブルの上の靴1

ー伊礼彼方、堀内敬子、一路真輝              

ミセス・ジョンストンは、家族のために働き続けるが、やがてミセス・ライオンズは、自分に譲った子であるエドワードに構いすぎていると感じ、彼女を解雇する。 ミセス・ライオンズは退職金を渡すが、ミセス・ジョンストンはそれを断り、子供も引き取ると言う。ミセス・ライオンズは、「双子である事をお互いが知った途端、二人とも死んでしまう」という恐ろしい迷信を告げる。

 

M26:That Guy あいつに

ー柿澤勇人、ウエンツ瑛士

ミッキーとエドワードは、親の都合で引き離され、それぞれ成長し、田舎で暮らしている。二人は、離れ離れになった親友を思って、あいつになれたらと歌う。

 

M30:I’m Not Saying A Word 言わない気持ち

―ウエンツ瑛士、木南晴夏                

エドワードは、リンダに恋している。18歳になった彼は、大学進学を機にリンダと離れてしまうが、自分の想いを伝えられずにいる。

 

M32:Miss Jones ミス・ジョーンズ

ー鈴木壮麻、柿澤勇人、木南晴夏、内田朝陽、堀内敬子、家塚敦子、岡田誠、河合篤子、俵 和也、安福 毅

ミスター・ライオンズは、会社経営者であり、不況のあおりを受け従業員たちを解雇していく。一方、ミッキーとリンダは子供を授かり、結婚式をあげるが、不景気の波は彼にも影響し、ミッキーは解雇され、仕事探しに狂奔する。

 


Q:稽古も終盤ですが、稽古の感想や手ごたえ、初日への意気込みを教えてください。

<柿澤>

稽古後半戦になってきて、通しをかなりやっています。早い段階で通しができるのは初めてで、とても充実した稽古になっています。初日には皆様に完成度の高い良いお芝居を届けられると思います。

<ウエンツ>

稽古後半戦に入りましたが、まだまだ発見することも多く、演出の吉田鋼太郎さんを先頭に素晴らしいキャストの方々に頼りつつ、ここからレベルを1つ、2つあげて、初日にむけて素晴らしい舞台を作り上げていきたいです。

<木南>

通し稽古も始まり、体もボロボロでかなりしんどいところもありますが、お芝居やっているとそれを忘れることができて、毎日この世界に浸れることに幸せを感じれています。

もうすぐ本番という実感は、今はまだないですが、早く観客のみなさまの前でお見せできる日を楽しみに毎日頑張っています。

<鈴木>

この素晴らしいメンバーと共に日々稽古を積んでいます。吉田鋼太郎さんの演出のもと、細かなヒントをいただき、みんながどんどん変わっていくのを稽古場で感じています。とてもクリエイティブな稽古場にいるんだなと感じ、日々ワクワクしています。感情が爆発するこの舞台を、是非観ていただきたいという思いでいっぱいです。

<内田>

通し稽古をこんなに多くやっている稽古は人生初めてで、初めての経験ですが、頑張ろうと思いながらやっています。自分が出演する作品に感動することはあまりないのですが、稽古を観ていても今回はグッときてしまいます。

このミュージカルは本当に素敵な作品で、鋼太郎さんの演出のもと、とても心に刺さります。

まだまだ稽古は続きますので、ここからさらに良い作品にできるよう、自分のできることを一生懸命頑張ります。

<伊礼>

本読みの段階から、鋼太郎さんの演出のもと、これはミュージカルではなく、たまたまお芝居に歌がのっかっている作品なんだなと、ワクワク楽しんでいます。

もともと涙もろいんですが、冒頭からボロボロと涙しているので、観に来ていただけるお客様も同じような感情で観ていただけるのではないかと思っています。劇場でお待ちしています。

<一路>

このミュージカルは、個人的にとても大好きな作品だったので、今回参加させていただけて本当に幸せです。

その上で素敵な出演者との稽古や吉田鋼太郎さんの演出を受けているこの日々がとても幸せで、その気持ちを舞台からお客様にそのままお伝えできれば、観に来てくださった方々も幸せな気持ちになっていただけると思います。

感動できる素敵な作品になると思いますので、早く観に来ていただきたい気持ちでいっぱいです。

<堀内>

素晴らしい作品に参加せていただき、本当に嬉しいことだなと思っています。

出演者をはじめ平均年齢が高い中、全力で稽古をやる人ばかりで、気は抜けないですが、良い刺激をいただいています。

実は、歌うことがとても怖く、不安なのですが、今回は鋼太郎さんの言葉を重視するという創り方で歌に対する怖さがなく、なんだか不思議な鋼太郎マジックにかかっているようです。言葉を伝えていくんだという気持ちでやっているようなところがあります。

何が起こるか分からない世の中ですが、最後までみんなで完走したいなと思っています。

 

<吉田>

こんなに多く通し稽古をやったのは、役者としても、演出家としても初めてで、まさかこんなに早く通し稽古がやれると思っていませんでした。

今回は、初めてのことばかりで、これまでは全て演出と俳優を兼ねていましたが、今回は演出のみで、また、これまではミュージカルと一線を画す人生を歩んでいましたが、今回は初めてミュージカルの演出をさせていただいております。俳優陣のおかげもあるのですが、なんてミュージカルの演出をするのは楽しんだろうとワクワクしています。初めて尽くしで非常に不安も抱えて挑んだのですが、不安は全部払しょくされて、本当に素晴らしい現場に立ち会わせていただいている実感があります。

初演の時に参加させていただき、出演作でもあるのですが、その時に感じたなんて素晴らしい本なんだろう、なんて素晴らしい芝居なんだろう、それを今、演出家として自分の目の前で繰り広げられていることを観る幸せを感じています。この幸せを、お客様と一緒に分かち合いたい、ぜひ一緒に体感していただきたいという気持ちでいっぱいです。

本当に素晴らしい作品になると思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

Q:W主演の柿澤さんとウエンツさんですが、お互いの印象はいかがですか?

<柿澤>

ウエンツと芝居するととても救われるというか、預けていいんだと感じます。

失敗しても、ダメだったとしても、助けてくれるんじゃないかと思わせてくれる。

双子役として、舞台上に一緒にいてくれることに本当に感謝しています。

<ウエンツ>

カッキーは失敗しても助けてくれる存在と言ってくれますが、大体間違えるのは俺(笑)

本当に刺激になる存在、今回は双子役ですが、実際の年齢はカッキーが年下ですが見習うところばかりで、そんなことを感じつつ日々一緒にいます。

 

Q:吉田さんは、今回は演出のみですが、俳優として出演したい気持ちはありますか?

<吉田>

今回、僕のやる役はないです(笑)

以前は、サミーの役で出演していましたが、よくできるなと思って見ています。

途中までは、みんなが芝居しているのを見ていると、自分も役者なので混ざってやりたいなと思うと思っていましたが、今は全く思わないです。

本当に俳優陣が凄く、大げさでなく、体もお芝居でボロボロで、そんな中、歌も歌わないといけない、俳優陣はとても楽しくやっていただいていると思うので、今はそれに甘えて好き放題やらせてもらっていますが、とてもじゃないけど僕は舞台の上にいたくないです(笑)

 

Q:演出家吉田鋼太郎さんから見た、W主演の柿澤さんとウエンツさんはどうですか?

<吉田>

柿澤は本当にミッキーの様に、ウエンツは本当にエディーの様に舞台の上にいるので、こんなに素晴らしいミッキーとエディーは見たことがないというのが正直な感想です。この調子でやっていただきたいです。

 

Q:吉田さんが今回の演出で意識されていることはなんですか?

<吉田>

今回は、セリフがあって、そのセリフを俳優どおしがしっかり掛けあって、お互いに分かりあって生まれてくる感情、そしてその感情が歌になるということをさらに突き進めています。

 


Q:最後にW主演の柿澤さんとウエンツよりファンの皆様にメッセージをお願いします。

<柿澤>

もうすでに通し稽古を何回も行い、完成度も高くなっていますが、まだまだ改善の余地もありますし、より高みを目指して、初日には最高の芝居を、ミュージカルを届けられるように頑張ります。劇場でお待ちしております。

<ウエンツ>

吉田鋼太郎さんの元。素晴らしいキャストと共にこの『ブラッド・ブラザーズ』という作品を高みに持っていけるように、稽古は残り少ないですが、頑張っていきます。

なかなか日常も簡単に取り戻せなかったりとか、いろんなことが起きている状況ではありますが、少しでも皆さまの心を軽くできるように、何か新しい発見が皆さまのもとに届くように頑張りますので、劇場に足を運んでいただけたらと思います。

 

ーあらすじ

リヴァプール郊外で双子の男子が誕生した。双子の一人であるエドワード(ウエンツ瑛士)は裕福なライオンズ夫妻(一路真輝&鈴木壮麻)に引き取られ、もう片割れのミッキー(柿澤勇人)は、実の母親ミセス・ジョンストン(堀内敬子)と兄サミー(内田朝陽)のもとで貧しくも逞しく暮らしていた。正反対の環境で育った二人はお互いが双子であることを知らないまま、7歳で出会って意気投合し義兄弟の契りを交わす。しかしミセス・ライオンズは我が子エドワードを実の母親にとり返されることを恐れ、ライオンズ一家が転居。エドワードとミッキーは今生の別れをしたはずだった。そのうちミッキーの家が取り壊しとなり、移り住んだ先は偶然のエドワードの家の近く。

15歳になった二人は再会し、固い友情を育むようなる。エドワードとミッキー、そして幼馴染みのリンダ(木南晴夏)は恋と希望に溢れた青春の日々を謳歌する。しばらくしてエドワードは大学に進学。ミッキーは工場に勤め、リンダの妊娠を機に結婚。大人として現実を生きはじめた二人の道は大きく分かれていった。不景気により失業したミッキーは、ついに犯罪に手を染め薬漬けに。議員となったエドワードはリンダを通してミッキーを支えるが、運命は二人を容赦しなかった…。

 

<久留米公演(福岡)>

2022年4月15日(金)~17日(日)

会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール

 

※15日(金)は公演終了後にアフタートーク開催

【登壇者】柿澤勇人/ウエンツ瑛士