【舞台写真・コメントあり】舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』初日開幕!
舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』が本日2月6日(火)に東京建物Brillia HALLで開幕する。本作は厳しい階級制度の江戸歌舞伎界で、努力と才覚と不屈の精神で大スターへと駆け上がった男の波乱万丈な人生を描く。
歌舞伎が黄金期に向かう江戸時代中期、彗星の如く現われた破天荒な歌舞伎役者、初代・中村仲蔵(なかむらなかぞう)。梨園の血縁ではない彼は、四代目・市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げ、一代で「名人仲蔵」と言われるまでの大スターになった。
主演の藤原竜也をはじめ、市原隼人、髙嶋政宏他、実力派キャスト陣で描く、江戸歌舞伎界の表舞台と裏舞台の人間ドラマが、ついに開幕する。
本作で脚本を務める源孝志は、令和4年度(第77回)文化庁芸術祭大賞を受賞したNHKドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」で脚本と監督を務め、中村仲蔵の半生を痛快無比に描いて話題を呼んだ。新たな視点でオリジナルの舞台戯曲として書き下ろした本作では、演出に、自身が率いる劇団モダンスイマーズの公演以外にも多くのプロデュース公演で高い評価を受け、2017年赤坂大歌舞伎では新作歌舞伎の作・演出を務めた蓬莱竜太を迎え、舞台ならではの骨太な人間ドラマに仕上げた。
主役の中村仲蔵役を演じる藤原竜也は、15歳で鮮烈なデビューを飾って以来、舞台や映像で数々の個性的な役柄に挑んできた。養母に厳しく踊りを叩きこまれた仲蔵が、芝居の面白さにとりつかれ、数々の壁を乗り越えながらまっすぐに歌舞伎界を駆け上がっていく姿は、藤原自身が歩んできた道のりとも重なって見える。
仲蔵に初めに目を掛ける初代・市川八百蔵役と、仲蔵最大のピンチを抜け出すヒントを与えることになる武士、酒井新左衛門役の二役を演じるのは、市原隼人。豪気な男前の八百蔵と、腕は立つがそれよりも芝居と三味線を好むニヒルな新左衛門を、色気たっぷりに演じている。この舞台のために稽古を重ねてきた三味線の演奏シーンは必見。
仲蔵の才を見抜いて引き上げていく、四代目・市川團十郎役の髙嶋政宏は、歌舞伎界の最高峰に位する威厳と共に、人間味あるユーモアを随所に感じさせる。劇中に登場する歌舞伎シーンでの、堂々たる出で立ちにも注目したい。
また仲蔵の弟弟子で出世を画策する中村伝蔵役を演じる浅香航大のどこか憎めないキャラクター、仲蔵の養母である志賀山お俊の流麗さと激しさを見事に共存させている尾上紫、仲蔵最大の試練に立ちはだかる立作者・金井三笑の秘めた野望を滲ませる今井朋彦、奈落にすむ稲荷神コン太夫の軽妙洒脱な語り口で魅せる池田成志など、一癖も二癖もある人物たちが本作を盛り上げる。劇中に登場する、歌舞伎シーンの華やかな衣裳や小道具にも注目したい。
江戸に生きた役者達の熱量が、時代を越えて現代に放たれる、舞台作品ならではの面白さを体感しに、ぜひ劇場へ足を運んでいただきたい。
【藤原竜也コメント】
中村仲蔵という役者が生きた歌舞伎の世界とどう向き合うのか、稽古序盤は何もかもが手探りでした。昔、蜷川幸雄さんが待つ稽古場に向かう時の吐きそうな不安と緊張感が久々に甦ったくらいです。でも稽古を重ねるうちに、芝居の根本部分は何も変わらないということがわかってきました。歌舞伎の所作などについて出来る限りの努力をするのは当然としても、歌舞伎だからと構えすぎず、自分がいつも演劇と向き合う姿勢で、稽古に臨んできました。
仲蔵のように光り輝く一本の道をまっすぐに歩く人生でありたいという願いを持ちながら、未知のものに挑戦していく気概を持ち続けていたいです。
ようやく初日を迎えられてお客様の前で表現させてもらえることが、僕としても嬉しい限りです。
上演時間は1幕70分/休憩20分/2幕80分(計2時間50分)予定。
東京公演は2月6日(火)~2月25日(日)東京・東京建物Brillia HALLにて上演、その後2月29日(木)~3月1日(金)広島・広島文化学園HBGホール、3月7日(木)~3月10日(日)名古屋・御園座、3月15日(金)~17日(日)宮城・東京エレクトロンホール宮城、3月22日(金)~24日(日)福岡・キャナルシティ劇場、3月27日(水)~3月31日(日)大阪・SkyシアターMBSにて上演。